半導体洗浄装置で世界首位「SCREENホールディングス」更なる成長へ積極投資中

半導体の製造工程における「洗浄」プロセスが果たす役割をご存じでしょうか。目には見えない微細な粒子を取り除くこの工程は、製品の性能や歩留まりを左右する重要なステップです。この洗浄装置の分野で世界トップシェアを握る日本企業が、今回紹介するSCREENホールディングスです。
SCREENは、かつて写真製版機を手がけるメーカーとして知られていました。しかし現在は、半導体製造装置を主力とするグローバル企業へと変貌。2025年3月期の売上は6,000億円を突破し、営業利益率は21%に達しました。中国や北米での半導体投資を確実に取り込み、需要の波を自らの成長エンジンへと変えています。
滋賀・彦根に構える「S³(エス・キューブ)」と呼ばれる生産拠点群では、次々と新棟が建設され、生産能力の強化が進んでいます。旧世代ノード向けの装置需要が旺盛な中国市場や、先端プロセス向けの装置が求められる北米市場に対応するためです。
SCREENは既に次のフェーズも見据えています。2024年度に開始した中期経営計画「Value Up Further 2026」では、3年間で売上高1.8兆円の達成を掲げ、成長投資と人材戦略を中核に据えています。本記事では、SCREENホールディングスの変遷と現在のビジネスモデル、そして未来を見据えた取り組みについて読み解いていきます。